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病院のご紹介

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 焼けつくようなアスファルトの道を歩くときに感じた、あの湧き上がるような生命感はどこへ消えたのかと思うときがあります。徹夜明けの眠気と闘いながらも、そうしている自分に誇りを感じていたころを懐かしんでいます。
懐かしいといえば、かつて八月には方々の公園や空き地で盆踊りが催されていましたが、近頃はあまり見かけなくなりました。まだ若かった頃、珍しく宵のうちに帰宅できたある日、帰宅途中で炭坑節が鳴り響いていたので、夕食後に幼かった娘を乳母車に乗せて、たぶんあの公園だろうと見当をつけて家族で出かけました。

 盆踊りはすでに終盤にさしかかっていましたが、とりどりの浴衣姿の踊り手たちは、帰宅しはじめた観衆を繋ぎ止めようとするかのように、精一杯の踊りを披露していました。大音量で流される民謡とそれに負けまいと打ち鳴らされる櫓の太鼓の音が、派手な色使いの提灯や焦げたイカ焼きの香ばしい匂いとともに、不思議な高揚感を与えてくれました。肌にまとわりつく空気のなかで、長く伸びた踊り手たちの影がシュールに揺らいでいました。帰り道では、私の頭の中で河内音頭が鳴り続け、なぜか家族そろってリズムを刻んで歩いていました。

 音楽には脳を活性化させる働きがあるようです。芸術的な知力はいわゆる論理的な知力とは異なるようで、最新の脳科学で解き明かされようとしています。とくに驚くのは、怪我や病気で脳に大きな障害を負っても、音楽的な感覚は保存されていることがあるそうで、認知症になってほとんどの記憶が失われていても、過去に覚えた歌曲は完全に記憶にとどめている方がいるようです。
 英国人とってはエルガー作曲の「威風堂々」が元気の素であるらしく、私も経験したことがありますが、コンサートの終わりには必ず演奏され、ときに聴衆が加わって大合唱となるようです。猛暑で今一つ元気が出ないときには、お気に入りの曲を聞くか、それができないときは頭の中でその曲を奏でて、この夏を乗り切りたいものです。

2014.8.7 院長 河田純男

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