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外科

鼡形ヘルニア

  • 鼡径ヘルニア(脱腸)

〈 担当:岸・松下・小林 〉

手術を受ける前に
「鼡径ヘルニア(脱腸)は子供の病気」というイメージをもたれがちですが、むしろ体の組織が衰えてくる中高年層に多い病気です。米国では鼠径ヘルニアで受診する人が年間80万人もいるといわれ、専門の外科医がいるほど一般的な病気であり、日本でも年間14万人と推定されていますが、まだ専門外来を導入している施設は少ないのが現状です。当院はヘルニアセンターを開設し、鼠径ヘルニアの治療に対して力を入れております。
子供の先天的なヘルニアは成長にともなって自然に治癒する場合もありますが、大人のヘルニアの場合、筋膜は投薬、運動では強化できないため、手術でしか治療できません。
従来の手術は組織を縫い合わせるもので、再発や痛みも多いなどの問題点がありました。しかし、最近の手術では人工物を使用することにより、再発も術後の痛みも少なく、早期の社会復帰が可能になりました。
鼡径ヘルニアは、体内で内臓を保護する「筋膜」がゆるみ、その穴から腹膜や腸などが異動してしまう状態を指します。日常的に重いものを運んだり、立ち仕事などの同じ姿勢を続けてきた人、肥満気味な人、加齢によって体の組織が衰えた中高年層などに多く、男性だと一生の間に4人に1人が発症すると言われています。
最初は痛みがなく、入浴中やくしゃみをした時など腹部に力がかかった際に、下腹部周辺で膨らむ部分を発見して気づくケースも多いようです。
ヘルニアは下腹部の症状のため『恥ずかしいから』と受診をためらわれる方もいらっしゃいますが、誰でもなる可能性があると認識し、脚の付け根に押すと戻る膨らみを見つけたり、引っ張られるような違和感を覚えたりした場合にはすぐに受診されることをお薦めします。
当院での治療について
当院では2010年より鼡径ヘルニアを専門に扱える部門を設立し、専門医師が診察の上、最適な術式を選択し、治療に当たっております。
その他の曜日でも、随時受け付けさせていただいておりますので、お気軽に受診ください。
症例数は専門外来開設以降、年々症例数を伸ばしており、現在では約200例のペースで手術を行っております。

症例数

手術について
鼡径ヘルニアは「筋膜」の緩みによって発生する病気であり、その「筋膜」は投薬、運動では強化できないため、手術以外に有効な治療方法はありません。
当院では鼠径ヘルニアに対してはメッシュを用いた修復術を行っています。主には腹腔鏡を用いた手術と、従来より行われている鼠径部切開法があります。
特に腹腔鏡を用いた修復術は整容性に優れたよい方法であると考えられ、第一選択の術式としており、関西でもトップクラスの数の手術を行っております。
腹腔鏡手術はお腹に5mm程度の小さな穴を3ヵ所開け、テレビモニタで観察してヘルニアの場所を見つけ、別の穴から入れた手術器具を外科医が操作して患部の治療をします。

腹腔鏡手術は
● 傷あとが小さく痛みが少ない。(開腹手術では5cm程度)
● 日常生活に早く戻れる。
● ヘルニア発生部位が左右の2ヵ所にあっても同時に治療できる。
などのメリットがあります。特に、腹腔鏡手術では腹腔内を観察しながら手術を行うので、修復すべき場所が一目でわかり、まだ症状が出ていない小さなヘルニアの見落としが少なく、非常に有用な方法であると考えられます。
しかしながら、ケースによっては腹腔鏡手術が行えない場合もあります。術式については状況に応じて適切に選択することとなります。
入院について
手術前日にご入院いただき、術翌日に退院となるケースが多いので、入院から退院までは概ね3日です。
再発手術について
近年では鼠径ヘルニアの手術は広く行われるようになってきましたが、少なからず再発が見られるようです。「脱腸の手術は簡単!」と思われがちですが、再発の手術は困難であり、専門的な知識と技術が必要です。
当院では専門家が治療にあたっており、鼠径ヘルニア術後再発の手術にも力を入れています。「昔手術を受けたんだけど、調子が悪い」ということがあれば、是非ご相談ください。
腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術とは
腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術とは、腹腔鏡を用いてヘルニアの穴を筋膜の内側からふさぐという手術法です。当院では腹腔内からアプローチする方法であるTAPP法を第一選択に行っています。
腹腔側から圧力をかけて、実際ヘルニアが出ている状態にして観察できるため、見落としがなく、さらにメッシュシートはヘルニアが起こりうる全ての場所を同時に覆うことが出来るので再発防止効果も期待できます。傷跡も小さく、術後の痛みが少ない非常によい方法です。
*健康保険が適用されます。

体の右側で鼠径ヘルニアになりやすい場所を腹腔内から見た模式図,補強材(メッシュ)により修復される範囲のイメージ

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