兵庫県立西宮病院は2010年9月に兵庫県指定のがん診療連携拠点病院に認定されました。 日本の全国統計によれば、死因別死亡率は1981年以降、がんが脳血管疾患を抜いて、トップを維持しています。この状況を重く見た厚生労働省は1984年に対がん10ヶ年総合戦略を立て、国ががんの撲滅に乗り出したのです。2006年には、がん対策基本法が成立し、がんの死亡率を減少させる取り組みが法律化されました。
当院でも、がん診療連携拠点病院として次の点を重点課題としています。
- 手術、放射線療法及び化学療法を効果的に組み合わせた集学的治療及び緩和ケアの提供
- 各学会の診療ガイドラインに準ずる標準的治療等のがん患者の状態 に応じた適切な治療の提供
- 地域の医療機関からの紹介患者さんの受け入れ及び逆紹介
- 地域連携クリティカルパスの整備
- 地域の医療従事者に対する教育・研修の実施
- 臨床試験への協力
- 標準様式に基づく院内がん登録の実施
などです。
また、特に、緩和ケアチームの設置、相談支援体制の整備、セカンドオピニオンの提示体制の整備などを重要な指定課題としています。
がんは不治の病ではなくなってきました。医師は患者さんにがんであることをしっかり告知し、正しい情報提供をし、患者さんとともにより良い治療を目指して努力してまいります。