国(厚生労働省)は「がん診療体制」を充実させる目的で2002年に「がん診療連携拠点病院」という制度を作成し、実施してきました。
さらに、2007年には「がん対策基本法」の実施により、さらにその体制が拡充されました。その内容としては、がん診療の均てん化(地域間の診療レベルの格差をなくし“質の高いがん医療”の提供、地域完結型医療)のために、地域におけるがん診療連携を推進するための中核的な病院であることです。
そのなかで、当院は「質の高いがん医療」を提供しているということで、2010年9月に兵庫県指定がん診療連携拠点病院として認定され、兵庫県がん診療連携病院協議会に参加し、がん診療の拠点病院としてふさわしい診療を更に進めています。
この「質の高いがん医療」とは、下記に示す体制のもとに「がん診療」を行うことです。
診療体制
日本人に多いといわれる五大がん(胃がん、大腸がん、肝がん、乳がん、肺がん)を中心に、食道がん、胆道がん、膵がん、前立腺がん、頭頚部がんなど専門的ながん医療において、的確に対応できるように、機器、技術などすべての面での診療体制を整えており、専門的ながん医療の提供としては
- 集学的治療(高度な手術、化学療法、放射線療法)及び診療ガイドラインに基づいた標準的治療を遂行すること
また下記の業務を実施することです。
- クリニカルパスの使用(決められた治療指針、過程)
- セカンドオピニオンの実施
- 緩和ケア(心身ともに初期治療から終末期まで)
- 外来化学療法(通院での化学療法の実施)
- がんリハビリテーション(治療開始前からのリハビリテーション)
- がん術後地域連携クリティカルパス(地域診療所との連携診療)
研修体制
がん診療の連携協力体制として、地域医療圏において院内、院外を問わず、がん医療に携わる医師、薬剤師、看護師そのほか多くの医療関係者を対象に研修(がん関連勉強会、緩和ケア研修会など)を実施しています。
患者さんへの相談支援や情報提供
がん相談支援センター(当院では地域医療連携センター内にあります)では、専門的な研修した看護師などによる、がん患者さんやその家族ならびに地域住民、地域の医療機関等に対し、種々のがん関連の相談の対応や、必要な情報収集を行っています。さらには地域住民を対象としたがん啓蒙活動としての市民公開講座などを開催しています。
がんを取り扱っている診療科
がん術後地域連携クリティカルパス
がんの地域連携クリティカルパスとは、がん診療連携拠点病院と地域の医療機関等が作成する役割分担表、地域連携診療計画表及び患者用診療計画表から構成されるがん患者に対する診療全体を体系化したものをいいます。
具体的に言うと、がんの手術後には定期的な術後外来診療があります。それを手術をした病院と 紹介されてきた元の診療所(病院)と連携して、共同診療することです。
がん登録事業
がん医療の情報をデータベースにしています。
当院で診療した「がん医療」情報をデ-タベースにし、症例数や、治療内容を集積し、今後の診療に役立てる事業です。このデータは兵庫県さらには国へ集積され、今後のがん医療の基礎資料となります。また治療成績を検出することもできています。
【院内がん登録全国収集データの二次利用について】
国立がん研究センターに提出された院内がん登録データは、報告書を作成するだけではなく、国立がん研究センターにおいて、データのより詳細な集計や研究解析を行って実態を検討する調査・研究等への二次利用が検討されています。
二次利用は国立がん研究センターにおいて定められた審査を経て行われるものですが、もしご自分に関する情報が二次利用に使われたくない場合は、下記PDFの書類をご一読いただき、不同意書を当院窓口へとご提出ください。
当院窓口:医事企画課