採用情報

救急科専門医について

当施設は救急科専門医プログラムにおける「基幹施設」です。
当センターは、救命救急センター(3次救急施設)としての役割に加え、西宮市2次輪番救急病院(内科・外科)として2次救急患者も幅広く受け入れています。 10床の救急ICUを有し、集中治療管理も行う一方、ドクターカーによる病院前救急診療やDMAT等の災害医療も担当します。2次救急に紛れる重症患者も含め、豊富な症例経験を確保しながら、併設している外傷再建センターでの外科系診療科研修など、充実かつレキシブルな研修が行われています。

当院の救急科専門医プログラムの特徴

救急科専門医取得

スタッフが専門医取得にむけて学会発表等をフルサポートします。

多様性のある専門医プログラム

外傷再建センターでの外科系診療科研修や、災害医療センター、尼崎総合医療センターでの研修などそれぞれにあったプログラムを作成しています

ドクタカーによるプレホスピタル

当院のドクターカーは、昭和54年、1974年に当院と西宮消防が共同で運行開始した、日本初のドクターカーシステムがルーツです。専攻医にはプレホスピタル活動にも積極的に関わってもらいます。

女性医師の活動支援

専攻医・スタッフが働きやすい環境作りに務めています。専門医取得後は時短勤務もアリ。

シフトワーク

交代制勤務で無理のない勤務体制で。

DMATによる災害医療

大地震などの災害時に被災地に迅速に駆けつけて救急治療の支援活動を行っています。

阪神間に位置する立地の良い病院

病院は、阪神間の中心、阪神西宮駅直近で、周辺の施設等が充実して非常に生活しやすいエリアに位置します。また、周辺地域は、特に教育環境がすばらしく、住みやすい街ナンバーワンに何度も選ばれた、家族で暮らす土地としてもとても恵まれた環境です。

  • 定員:2名/年
  • 研修期間:3年間

研修プログラム

1年次は当院で研修を行います。2年次には外科系診療科研修として当院の外科・脳神経外科・整形外科において6ヶ月間の研修を行います。それ以外については希望に沿いながら研修プログラムを作成していきます。
研修可能な連携施設は下記施設を参照してください。

救急科専門医取得のために経験すべき研修内容

1. 経験すべき疾患・病態

意識障害などの救急症候、外因性救急疾患などの初期診療と重症患者の集中治療管理を経験する。

2. 経験すべき診察・検査

救急患者の初期対応と全身観察、複数患者の初期診療の対応などを経験する。

3. 経験すべき手術・処置

緊急気管挿管、気管切開などの手技を術者(場合によっては助手)として経験する。

4. 地域医療の経験

周辺の地域施設で3ヶ月以上の研修を行う。

5. 学術活動

日本救急医学会総会・学術集会等で筆頭者として少なくとも1回の発表を行う。
筆頭者として少なくとも1編の論文発表を行う。

詳細は日本救急医学会 専門医制度を参照してください。

研修連携施設

兵庫県立災害医療センター

  • 病院としての機能:高度救命救急センター・兵庫県基幹災害拠点病院
  • 救急車搬送件数:1200件/年

西宮渡辺心臓・血管センター

  • 病院としての機能:急性冠動脈疾患・脳卒中などの疾患を中心に対応する二次救急医療機関
  • 救急車搬送件数:1000件/年

大阪大学医学部附属病院 高度救命救急センター

  • 病院としての機能:高度救命救急センター・災害拠点病院・大阪府ドクターヘリ基地病院・脳卒中センター・循環器疾患センター・総合周産期母子医療センター
  • 救急車搬送件数:1200件/年

兵庫県立丹波医療センター

  • 病院としての機能:丹波圏域小児救急医療の中核施設で二次救急医療機関
  • 救急車搬送件数:1000件/年

兵庫県立加古川医療センター

  • 病院としての機能:救命救急センター・災害拠点病院・兵庫県ドクターヘリ基地病院
  • 救急車搬送件数:2100件/年

専攻医から

田畑大地先生(専攻医、大分大学出身、初期研修病院:西宮病院)

当院プログラムの魅力を教えてください

3次救急のみならず2次救急まで対応しています。新米救急医としては、軽症・中等症~超重症まで幅広く経験でき、救急医としての基礎が学べるところが魅力と感じます。基本的に当番でなければ、病棟業務以外に自己研鑽の時間が確保できるので、多忙で自己学習は仕事が終わってからしか時間がない!ということもありません。

なぜ当院の専門医プログラムを選んだのですか?

上記の通り2次、3次救急の診療ができること、ある程度自分のペースで勉強できること、ドクターカーで出動し病院前診療に参加できること、医局の雰囲気として良い意味で先生方が優しく(時には厳しく)接して頂けるところ、がパッと思いつくところです。 特に自分の時間を確保できるところは、on、offの切り替えができるので、メリハリを持って仕事に取り組めます。

日々の専攻医生活はどんな感じですか?

スタッフの一員として、日直、当直、ドクターカー当番をこなしています。レジデントも主治医として担当患者を持ちますが、適宜指導医に相談・助言を頂ける環境にあります。まだまだ未熟で先輩方に頼りっぱなしですが、非常にやりがいを感じながら仕事に取り組めています。 また、他科との垣根が低く、各専門科へ相談しやすい環境だと思います。医局も今はスタッフの先生方とレジデント・研修医と分かれているので、他科の若手医師と意見交換や愚痴大会を気兼ねなくできますね(笑)

救急医としての今後の目標を教えてください

まずは3年間で救急専門医を取得します。サブスペシャリティに関しては、学んでいく中で自分が必要と感じた道に進もうかと考えています。当プログラムでは他施設へ研修に出ることも可能なので、選択肢を多く持てるのも魅力の一つと感じます。

これから救急医をめざす後輩達へ一言お願いします

3次だけでなく2次救急も学びたい!プライベートもある程度確保したい!といった志向の方には特にお勧めです。医局の雰囲気や実際の仕事ぶりは一見に如かずですので、ぜひ一度見学にいらしてください!お待ちしています!

大久保先生(専攻医OB、神戸大学出身、初期研修病院:愛仁会明石医療センター)

当院プログラムの魅力を教えてください

救命センターとして重症初期診療から集中治療をシームレスに行っており、外因・内因を問わずどっぷり重症診療に浸かることができます。特にプレホスピタルには力を入れておりますので、診療に慣れて来れば、ドクターカーに乗ってどんどん病院前診療に出ることができます。 また、2次救急の受け入れも並行して行っているため、経験症例は非常に幅広く豊富です。プログラム制専門医制度の必要症例数・手技も1年で充足できるくらいです。

なぜ当院の専門医プログラムを選んだのですか?

率直に、単身赴任せずに通勤可能な距離で一番近い救命センターだったからです(笑)あとは、3次救急のみでなく2次救急の対応も行っているということで、ある程度の数をこなしながら救急初期診療に慣れつつ、重症症例の診療にもスムーズに慣れて行けるだろうと考えたからです。 「救急医療に携わりたい、でもいきなり重症対応なんかできるか不安だな」という方にはフィットすると思います。

3年間の専攻医生活を振り返って一番の思い出を教えてください

多くの重症診療に携わることができました。悔しい思いをした症例もたくさんあります。出口の見えない行き詰った状況のなかでも、スタッフのドクターのサポートのもと、初療/ICUの看護師、MEさんなど同じ方向を向いて頑張ってくれて、なんとか乗り切れた症例もありました。 他にも印象深いものとしては高速道路での交通事故で発生した多数傷病者への対応や、傷害事件での多数傷病者対応など、数えだしたらきりがありませんが、とにかく度胸はつきました(笑)

救急医としての今後の目標を教えてください

年齢的には若くはありませんが気持ちは若いので、自分で限界を決めずに、そのときやりたいことをやって、どんどん技術と知識を吸収していきたいと思います。直近では重症COVID-19患者の全身管理に携わりつつ集中治療の修練を継続し、パンデミックの状況が落ち着いて来たら、このさきどこかで外科の修練も積みたいと思っています。

これから救急医をめざす後輩達へ一言お願いします

「正解のない状況で一人悶々としながら自分なりの答えを出し、決断して行動していくのが救急医だ」と尊敬する先輩救急医から教わりました。決断することに責任を持ち、躊躇なく行動に移していけるかどうかは、医師としての経験年数や経験症例数だけで決まるものではなく、 どちらかというと、医師として、人間としてのスタンス・在り方にかかってくる問題だと感じています。救急医としての修練を積みながら、同時に医療以外の面での自己鍛錬も忘れずに、充実した研修期間を過ごしてもらえたらと思います!

歴代専攻医から

【2次から3次まで】専攻医 松浪周平先生

こんにちは。救急科専攻医の松浪です。
初期研修終了後より当救急センターに所属し今年で3年目になります。
当センターの特徴として、2次救急から3次救急まで幅広い患者さんに対応していることが挙げられます。 私が当センターを選択した主な理由がこれです。3次救急ではドクターカーによる病院前活動を含めて重症患者さんへの対応となります。ドラマなどで目にする「救急」はおそらくこちらだと思います。それに比べて2次救急は少し様相が異なります。 発熱したご老人、下痢嘔吐が続いて動けなくなった大学生、椅子から落ちて頭をぶつけた幼児etc。3次救急に比べるとよりcommonな病態ばかりです。
ただ、もちろん数が多いのはこちらです。少し余裕をもって診察出来る分色々と考え、日々新たな発見があり非常に勉強になります。3次救急は一部対応できない病態があったり、2次救急はERのように患者さんで溢れているというわけではなく、 どちらかに特化して学びたいと思われる方には少し物足りないかもしれません。しかし重症例からよりcommonな症例まで、幅広い病態に対する対応力を身に付けたい、そう思ってらっしゃる方には当センターは最適の環境だと思っています。
(松浪先生は救急科専門医取得後、外科、形成外科のsubspecialityを目指して修練されています)

【県西救命での専攻医生活】専攻医 南和伸先生

目の前の苦しんでいる患者、死にそうになっている患者を救える医者になりたい。
一つの臓器だけを見る専門医になるのではなく、全身を診ることのできる医者になりたい。
そんな思いから、自然と救急医を目指すことになりました。救急医と一言で言っても、幅は広く、重症外傷を診る外傷医もいれば、集中治療医もおり、ER型救急医もいます。同じように救命救急センター・救急科の看板を掲げていても、施設によって扱う傷病や、やっていることはかなり違うと考えています。 県立西宮病院は病床数400床の中型病院で、各診療科の垣根は非常に低く、コール1本で連携ができます。救急科は他科との連携が必須です。その点、県西救命は非常に働きやすい環境です。二次・三次救急を扱っており、症例が偏ることなく幅広く経験できます。 また、指導医の数も豊富であり、専攻医への指導も充実していると実感できます。外傷医、集中治療医、ER医どれを目指すにしても、まず県西救命での専攻を選んだことに満足できています。
(南先生は救急科専門医取得後、整形外科のsubspecialityを目指して修練されています)